そうだ、ライブハウスへ行こう

ペンギン・カフェ×相対性理論@六本木ラフォーレミュージアム

10月 10, 2012


文;菊地佑樹

 

 

「現金よりペンギン」。やくしまるえつこが言った、そんなMCが未だ頭から離れない。“元素紀行”からはじまった、相対性理論という体験は、またしても摩訶不思議で、かつ魅力的だった。当日はゲストということもあり、普段よりもややセットは短かったが、やくしまるえつこによる最新シングル“ヤミヤミ”なども演奏され、華麗なるポストモダン・ポップは、聴き手をいろんな角度から楽しませていた(もちろんMCを含め)。そして、個人的に、限りなく少ない照明が照らすペンギン(ステージ横に置かれたオブジェ)が、会場の風景に大きく膨らみを持たせていたのがまた印象的だった。

 

当日の主役はペンギン・カフェということで、会場にはたくさんのペンギンたちがいた。

 

 

今年、僕がイヴェントやフェスなどに行き、よく思うことは、こういった会場のヴィジュアル・コンセプトの重要性だ。ヴィジュアルやスタイルは、あたらしい空間と音を作る。もちろん、やったからいいという話ではないが、ひとつのエンターテインメントとして、奥行きが出るのは確かだと思う。そして、これは会場に足を運ぶお客さんだけではなく、演奏する側も、普段とは違ったシチュエーションとして楽しめるのではないか。実際に、フリー・ドミューンに出演していたDJの方が「演出が最高」と楽屋で話し合っているのを見た。しかしこれは、大きな会場に特化したことではなく、小さなライヴハウスでもきっと出来ることだろう(質などの問題ではなく、精神として)。そういった華やかなイヴェントが、都内などのライヴハウスでも増えたらなあと個人的に思っている。きっとそこから広がる世界や価値観もあるだろう。

 

ペンギン・カフェのメンバーが登場すると、先ほどまで真っ暗だった照明は、大きく照らされ、メンバーの顔が一人ずつ確認出来るまでに、会場は明るくなった。すこし奇妙だったペンギンのオブジェは意外と可愛らしく、ステージバックのプリントデザインもここではじめて確認することが出来た。

 

ペンギン・カフェはとても華やかな演奏が、まるで夜宴に参加しているような雰囲気にさせられ、ただ ただ 楽しかった。

 

終演後、協賛のティッシュを配ったり、相対性理論の物販のお手伝いをしたりで忙しかったけれど、帰っていくお客さんのキラキラした表情を見て、なんだか救われた僕は、渋谷駅で、無駄に終電までぼーっと過ごし、帰宅したのであった。

 

六本木ラフォーレミュージアム、またいつかどこかで。

 

写真は当日お世話になった、物販スタッフの皆様。お疲れさまでした!

 


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